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小林佳与公認会計士・税理士事務所

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令和4年4月1日より未成年者控除は18歳未満が対象となります。

民法改正により、令和4年4月1日から成人年齢が18歳以上となります。

この民法改正に伴い、相続税法上の『未成年者控除』の規定は、18歳未満の方が適用対象となります。

未成年者控除について(相続税法第19条の3)

相続人または受遺者が未成年者である場合には『未成年者控除』を適用することが出来ます。『未成年者控除』の適用要件は次のとおりです。

未成年者控除の適用要件(適用対象者の条件)
要件1相続又は遺贈により財産を取得したときに18歳未満であること。
要件2被相続人の法定相続人であること。(「法定相続人について」参照)
要件3

無制限納税義務者であること。「相続税の納税義務者」参照)

未成年者控除額の計算方法

未成年者控除の適用により控除される金額は、その未成年者が18歳に達するまでの年数10万円を乗じた金額です。

(18歳-相続開始のときの年齢)×10万円=未成年者控除額

18歳に達するまでの年数を計算したときに、その年数が1年未満であるとき、または、1年未満の端数があるときには、これを1年として計算します。

【計算例】相続開始時の年齢が8歳4ヵ月である未成年者のケース

年数計算:18歳-8歳4ヵ月=9年8ヵ月 → 10年となります。

未成年者控除額:10万円×10年=100万円

控除の仕方

1.未成年者の相続税額からの控除

未成年者控除額は、まず未成年者の相続税額から控除します。

2.未成年者の扶養義務者の相続税額からの控除

未成年者の相続税額よりも未成年者控除額が多く、その未成年者の相続税額から控除しきれない場合には、その未成年者の扶養義務者(※)で、同じ被相続人から相続や遺贈により財産を取得した者の相続税額から控除することができます。

(※)扶養義務者とは、配偶者、直系血族、兄弟姉妹、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族をいいます。三親等内の親族で生計を一にする者については、家庭裁判所の審判がない場合であっても扶養義務者に該当します(相基通1の2-1)。

【計算例】未成年者の相続税額80万円、扶養義務者の相続税額120万円、未成年者控除額 130万円のケース

計算手順1:未成年者の相続税額からの控除

80万円<130万円より、80万円-80万円(未成年者控除額)=0円

未成年者の相続税額は未成年者控除額を差し引き0円となる。

計算手順2:未成年者の扶養義務者の相続税額からの控除

130万円-80万円=50万円なので、120万円-50万円=70万円

未成年者の扶養義務者の相続税額は70万円となる。

過去に未成年者控除を適用したことがある場合

未成年者が2回以上相続を経験した場合、いずれの相続においても未成年者控除を適用できますが、控除額に限度が設けられています。

過去に未成年者控除を適用したことがある場合には、下記の1と2の金額のうち少ない金額が、今回の未成年者控除額となります。

  1. 今回の相続において、未成年者が満18歳に達するまでの年数に10万円を乗じた金額。
  2. 前回の相続(又は最初の相続)の際に満18歳に達するまでの年数に10万円を乗じた金額から実際に未成年者控除額として相続税額から控除した金額を差し引いた金額。

なお、相続税法の改正により前回と今回の1年あたりの未成年者控除額が異なる場合には、前回の相続における控除不足額は、現行法の規定に則り計算し直すこととなります(相基通19の3-5(注)、平成25年法律第5号附則第12条)。

相続税法基本通達に記されている留意事項

未成年者控除を適用する際の留意事項として相続税法基本通達に記されている事項をいくつかご紹介致します。

相基通19の3-1 <未成年者控除>

未成年者控除の規定は、財産を取得した者が相続を放棄したことにより相続人に該当しないこととなった場合においても、その者が無制限納税義務者で18歳未満の者に該当し、かつ、当該相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)に該当するときは、適用がある。

この通達は、未成年者控除の対象者が、相続放棄をしていても、当該被相続人から遺贈により財産を取得している場合には、未成年者控除を適用できることを示しています。

相基通19の3-2 <婚姻した者の未成年者控除>

未成年者控除の規定は、民法第753条(婚姻による成年擬制)の規定により成年に達したものとみなされた者についても適用がある。

相基通19の3-3 <胎児の未成年者控除>

民法第886条に規定する胎児が生きて生まれた場合におけるその者の未成年者控除額は、180万円となる。

民法第886条では、胎児は相続については、既に生まれたものとみなす。と規定されていますが、相続税法上では、胎児は生きて生まれたときに納税義務の主体として取り扱われます。

相基通19の3-4 <未成年者に相続税額がない場合の未成年者控除>

未成年者控除の適用対象者である未成年者の相続税額が、計算の結果ゼロとなり、未成年者控除額を差し引き出来ない場合には、その者の扶養義務者の算出相続税額からその未成年者控除額を控除することが出来る。

上記の内容は、未成年者控除の控除不足額を扶養義務者の相続税額から控除できるのは、法定相続人である未成年者が相続または遺贈により財産を取得していることが大前提であり、未成年者が財産を相続または遺贈により取得していない場合には、そもそも未成年者控除の適用の余地はないので、控除不足額は発生せず、扶養義務者の相続税額からの控除額は生じないことを記しています。